動画制作の見積もりは、総額だけでは比較しにくいものです。同じ「会社紹介動画1本」でも、企画から依頼するか、撮影を何日行うか、何種類の動画を納品するかによって、必要な作業が変わります。
この記事では、企業の発注担当者向けに、動画制作費の内訳、予算の決め方、見積書を比較する方法を解説します。社内で要件を整理するための記入用テンプレートと、費用配分を理解するための仮の見積もり例も掲載しています。
動画制作の予算は「目的・制作範囲・納品物」で考える
完成動画の長さだけで価格を判断せず、企画、撮影、編集、音声、素材、修正、利用範囲まで確認しましょう。本記事の金額表は説明用の仮の試算です。アールアイメディアの料金表・受注実績・市場相場を示すものではありません。
動画制作の見積もりを取る前に決めたい6項目
- 目的:採用、営業、商品理解、社内教育など、誰のどんな行動・理解を支援したいか。
- 掲載先:自社サイト、説明会、営業資料、SNS、広告、社内システムのどこで使うか。
- 制作範囲:企画から任せるか、台本や撮影素材を社内で用意するか。
- 納品物:本数、長さ、縦横比、字幕、言語、ファイル形式。
- 公開日:初稿の確認、社内承認、修正、最終納品に必要な日程。
- 予算:制作費の上限と、交通費・広告費・公開後の運用費などを含むか。
まだ決められない項目は「未定」として相談できます。予算が限られる場合は、必須の納品物と追加したいものを分けると、制作会社も優先順位に沿って提案しやすくなります。
動画制作費の内訳と見積書の確認ポイント
| 項目 | 主な作業・内容 | 確認したい条件 |
|---|---|---|
| 企画・構成・進行 | ヒアリング、構成案、台本、撮影準備、進行管理 | 提案数、取材の有無、台本の確定時期、窓口 |
| 撮影スタッフ・機材 | カメラ、照明、録音、撮影の進行 | 人数、拘束時間、カメラ台数、準備・撤収、延長時の扱い |
| 交通・施設などの実費 | 移動、宿泊、駐車、スタジオや撮影施設 | 見積もりに含む範囲、実費精算か、変更時の扱い |
| 編集 | 映像の選択・構成、色調整、テロップ、図版 | 完成尺、本数、図版の点数、字幕の範囲 |
| 音声・ナレーション | 整音、ナレーター手配、録音 | ナレーションの有無、言語、原稿確定後の再収録 |
| 音楽・写真・イラスト等の素材 | 素材の手配や利用に必要な費用 | 掲載媒体、広告利用、利用期間などの条件 |
| 修正・追加展開 | 初稿後の修正、短尺版、縦型版、多言語版 | 含まれる回数・範囲と、別見積もりになる変更 |
項目名は制作会社によって異なります。進行費が企画費に含まれる場合や、機材費が撮影費と分かれる場合もあるため、項目名よりも実際の作業範囲を確認してください。出演者の手配、アニメーション、CGなどが必要なら、別途どこに計上されるかも確認します。
動画制作の見積もり例|費用配分を理解するための仮の試算
以下は見積もりの読み方を説明するために作成した、税別の架空の配分例です。相場の調査結果や実際の顧客見積書ではなく、この条件・金額で制作できることを保証するものでもありません。実際の発注額は、企画や素材の状態、必要な人員、制作期間などを確認して見積もります。
例A|支給素材を使って編集する場合
説明用の仮条件は、社内で撮影した素材とロゴ・原稿を支給し、横型の約2分の動画を1本制作するものです。新規撮影・出演者手配・ナレーター収録は含めず、構成整理、カット編集、要点のテロップ、整音、素材手配、確認・修正を想定しています。
例B|企画・撮影・編集を依頼する場合
説明用の仮条件は、構成・台本の作成、1拠点で1日の撮影、社員へのインタビューと仕事風景の収録、横型の約3分の動画1本の編集です。有償キャスト、ナレーター収録、複雑なCG、別言語版、広告運用は含めない想定です。
| 費目 | 例A:支給素材の編集 | 例B:企画・撮影・編集 |
|---|---|---|
| 企画・構成・進行 | 30,000円 | 80,000円 |
| 撮影スタッフ・機材 | 0円(撮影なし) | 120,000円 |
| 交通・施設等 | 0円(仮条件では不要) | 30,000円 |
| 映像編集・図版・テロップ | 120,000円 | 160,000円 |
| 整音・音声仕上げ | 20,000円 | 40,000円 |
| 音楽等の素材費 | 10,000円 | 30,000円 |
| 確認・修正対応 | 20,000円 | 40,000円 |
| 仮の合計・税別 | 200,000円 | 500,000円 |
この表は各工程に費用が配分されることを示すものです。実際には確認・修正が編集費に含まれるなど、計上方法も変わります。修正回数や追加料金の条件は、見積書や発注条件で確認してください。消費税と、見積もり対象外の業務にかかる費用は、合計とは別に確認が必要です。
具体的な公開料金例を確認したい方は、条件を整理したインタビュー動画の制作費用やSNS動画制作の費用と内訳もご覧ください。撮影の有無や納品本数が違う料金を、そのまま比較しないことが大切です。


見積もりが高くなる・追加費用が発生しやすい場面
- 撮影日・拠点が増える:移動、準備、人員や機材の手配が変わります。
- 出演者・素材を新たに手配する:キャスト、ナレーター、写真、イラスト等の条件確認が必要です。
- 構成確定後に内容を大きく変える:再撮影、再収録、図版の作り直しが必要になることがあります。
- 納品物を増やす:縦型化、短尺化、字幕追加は、単なる書き出しで済まない場合があります。
- 確認が遅れて日程を組み直す:再手配や公開日に間に合わせるための対応が必要になる場合があります。
追加料金の発生は案件や合意内容によって異なります。「修正2回まで」であっても、誤字の修正と、完成後の企画変更では作業量が違います。回数と一緒に、対象となる修正内容を確認しましょう。
複数社の見積もりを比較するチェックリスト
| 比較項目 | そろえる条件 |
|---|---|
| 撮影 | 拠点数、日数、拘束時間、人数、録音の体制 |
| 納品 | 完成本数、尺、縦横比、字幕、音声、解像度 |
| 修正 | 回数、範囲、追加作業の判断方法、確認期限 |
| 利用 | 掲載媒体、広告への展開、素材や出演者の利用条件 |
| データ | 完成動画のほかに撮影素材・編集データが含まれるか |
| 金額 | 税別・税込、実費、別途費用、支払い条件 |
「A社は安い、B社は高い」と感じたら、差額に対応する作業を確認します。不要な工程を減らせる場合もあれば、必要な収録や納品物が片方に含まれていない場合もあります。条件をそろえてから検討しましょう。
動画制作の予算を抑えるために見直したいこと
まず、動画1本で伝える目的を絞ります。採用・営業・教育のすべてを一つに入れようとすると、取材や撮影の対象が増え、情報も散らばりがちです。優先する用途を決め、他の用途への展開は追加見積もりで確認すると整理しやすくなります。
次に、撮影日程の集約、社内資料・既存写真の整理、確認窓口の一本化を検討します。ただし、支給素材の画質が不足していたり、利用条件が不明だったりすると、撮り直しや追加確認が必要です。安くなると決めつけず、事前に素材を見てもらいましょう。
年度末の予算で制作する場合の進め方
年度末に動画制作を検討する場合も、使途を決める出発点は「予算が余っているか」より、次年度も使う具体的な用途です。採用説明会、営業資料、新人教育などの必要性を整理し、完成後の掲載・運用担当まで決めます。
納期は、撮影日だけでなく、社内の確認・承認、修正、納品確認に必要な日程から逆算してください。年度内に必要な社内手続きや納品条件は担当部署と確認し、制作会社にはその条件と公開希望日を共有しましょう。短納期で対応できるかは案件ごとの確認が必要です。
コピーして使える見積もり依頼テンプレート
| 確認項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 動画の目的 | (記入欄) |
| 対象となる視聴者 | (記入欄) |
| 掲載先・利用場面 | (記入欄) |
| 伝えたい内容 | (記入欄) |
| 参考動画と、参考にしたい点 | (記入欄) |
| 希望する納品物 | 本数/長さ/縦横比/字幕・言語 |
| 撮影候補 | 場所/出演者/可能な日程 |
| 支給できる素材 | 写真/映像/ロゴ/原稿 |
| 希望する制作範囲 | 企画/撮影/編集/その他 |
| 公開希望日・社内確認の期限 | (記入欄) |
| 予算 | 上限/税別・税込/実費を含むか |
| その他確認したいこと | 修正/利用範囲/データ納品 |
よくある質問
1分の動画なら安くなりますか?
完成尺を短くしても、撮影や取材、図版制作の量が同じなら、費用が大きく変わらないことがあります。尺と一緒に、必要な場面や工程を整理して相談してください。
予算は先に伝えた方がよいですか?
上限と優先事項を共有すると、実施する範囲の相談がしやすくなります。最低限必要な案と、追加したい要素を含む案を分けて依頼する方法もあります。
納品後に自社で編集できますか?
完成データと編集用データは別です。再編集に必要なデータ、音楽・フォント・出演者などの利用条件、追加納品の可否を、発注前に確認しましょう。
動画制作の予算・見積もりを相談する
アールアイメディアでは、法人向けの採用動画、企業PR、社内教育などの動画制作に対応しています。目的、公開予定、予算、すでに用意できている素材をお知らせください。必要な制作範囲を整理しながらご相談いただけます。


